フリーターから正社員になるには?5つの道筋を比べて、自分に合う始め方を選ぶ
フリーターから正社員を目指す5つの道筋(アルバイト先での正社員登用、求人サイト、ハローワーク、就職支援サービス、職業訓練)を表で比べ、選び方と動き出す前の準備をまとめました。
この記事のポイント
- 正社員になろうとしたフリーター経験者のうち、約3人に2人が正社員になっています(東京都の25〜34歳、2021年の調査)
- フリーターを続けた期間が長いほど、正社員になれた割合は下がっています
- 正社員を目指す道筋は5つあり、相談できる相手と向いている人がそれぞれ違います
目次
フリーターから正社員を目指すとき、始め方は1つではありません。この記事では、正社員を目指す道筋を5つに分けて比べます。どこから始めるかを決める材料にしてください。
フリーターから正社員になれるのか
労働政策研究・研修機構が2021年に行った「第5回 若者のワークスタイル調査」は、東京都に住む25〜34歳の若者を対象にした調査です。この調査では、フリーターを経験して正社員になろうとした人のうち、66.6%が正社員になっていました。
| 対象 | 正社員になれた割合 | 回答した人数 |
|---|---|---|
| 男性 | 72.0% | 264人 |
| 女性 | 62.3% | 329人 |
| 男女計 | 66.6% | 593人 |
同じ調査では、フリーターを続けた期間が長いほど、正社員になれた割合が下がっています。続けた期間が1年を超えると割合が下がり始め、3〜4年では約6〜7割でした。4〜5年になると、男性で5割程度、女性で3割程度まで下がっています。
東京都の調査なので、ほかの地域にそのまま当てはまるとは限りません。それでも、正社員を目指すなら、期間が長くならないうちに動き出したほうがよいという傾向は読み取れると考えられます。
正社員を目指す5つの道筋
5つの道筋を、費用、相談できる相手、向いている人で比べると次のようになります。
| 道筋 | 費用 | 相談できる相手 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| アルバイト先の正社員登用 | かからない | 店長や上司 | 今の職場で働き続けたい人 |
| 求人サイト | サイトごとに確認 | 基本は自分で進める | 応募先を自分で比べて選びたい人 |
| ハローワーク(わかものハローワーク) | 無料 | ハローワークの担当者 | 公的な窓口で相談しながら進めたい人 |
| 就職支援サービス(民間の職業紹介) | 求職者は原則無料 | サービスの担当者 | 求人の紹介を受けながら進めたい人 |
| 職業訓練(求職者支援制度) | 受講料は無料 | ハローワーク、訓練を行う機関 | 仕事に必要な技能を身につけてから応募したい人 |
1. アルバイト先の正社員登用
今の職場に、アルバイトから正社員になる制度(正社員登用制度)があるかを確かめる方法です。制度があるかどうかや、その条件は会社によって違います。店長や上司に聞くか、社内の規則や案内で確かめます。
仕事の内容や職場の人を知ったうえで正社員になれるので、入社してから「思っていた仕事と違った」となりにくい道筋だと考えられます。一方で、制度があっても、登用の時期や人数が決まっていて、希望してすぐに正社員になれるとは限りません。
2. 求人サイトで探して応募する
求人サイトで自分で求人を探し、応募する方法です。「未経験可」などの条件で絞り込み、応募先を自分で比べて選べます。
応募書類の作成から面接の準備までを、基本的に1人で進めることになります。書類と面接の準備は、履歴書・職務経歴書と面接対策の記事を参考にしてください。
3. ハローワーク(わかものハローワーク)
ハローワークのうち、正社員を目指す若者向けの窓口が「わかものハローワーク」です。対象はおおむね35歳未満で、支援は無料です。全国に21か所あり、ほかに「わかもの支援コーナー」「わかもの支援窓口」が199か所あります。
わかものハローワークでは、主に次の支援を受けられます。
- 担当者による職業相談と、個別の支援計画の作成
- ビジネスマナー、応募書類、面接対策のセミナー
- 応募書類の作成の支援と、模擬面接
- 企業説明会や面接会
- 就職した後の定着の支援
公的な窓口で、担当者と相談しながら進めたい人に向いています。
4. 就職支援サービス(民間の職業紹介)
民間の会社が、求職者に求人を紹介するサービスです。手数料や報酬を受けて職業紹介を行う事業には、厚生労働大臣の許可が必要です。
また、職業紹介を行う事業者は、芸能家・モデルと、年収700万円を超える経営管理者・科学技術者・熟練技能者の職業を除き、求職者から手数料を受け取れない決まりになっています。フリーターが正社員を目指す場合、求職者の側に費用はかからないのが原則です。
紹介される求人は、そのサービスが扱っている求人に限られます。サービスごとに扱う求人や支援の内容が違うため、利用する前にサービスのサイトで内容を確かめ、運営会社の情報に許可番号が書かれているかも見ておくと安心です。
5. 職業訓練(求職者支援制度)
求職者支援制度は、無料の職業訓練を受けられる国の制度です。訓練の期間は2か月から6か月で、申し込みはハローワークで受け付けています。
雇用保険を受けられない離職者のほか、一定額以下の収入のパートタイムで働きながら正社員を目指す人も対象です。条件を満たすと、訓練を受けている間、月10万円の職業訓練受講手当を受けられます。主な条件は次のとおりです。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 訓練を行う日にすべて出席する(やむを得ない理由で休む場合も8割以上の出席が必要)
応募したい仕事が決まっていて、その仕事に必要な技能を先に身につけたい人に向いています。
自分に合う道筋の選び方
5つの道筋の特徴から考えると、次のように選ぶのが目安になります。
- 今の職場で働き続けたい: まず、アルバイト先に正社員登用制度があるかを確かめる
- 何から始めればよいか分からない: ハローワークか就職支援サービスで、担当者に相談しながら進める
- 応募先を自分で選びたい: 求人サイトで探し、書類と面接の準備は記事などで補う
- 目指す仕事に必要な技能が足りない: 職業訓練で技能を身につけてから応募する
道筋は1つに絞る必要はありません。たとえば、ハローワークで相談しながら求人サイトでも求人を探す、という進め方もできます。
動き出す前にやること
どの道筋を選んでも、応募する前にやることは共通しています。
- 自分を知る: これまでのアルバイト経験から、強みと向いている働き方を整理します。→ 自己分析
- 仕事を選ぶ: 未経験から応募できる職種と、仕事の探し方を知ります。→ 仕事選び・職種研究
- 書類を作る: 履歴書と職務経歴書で、空白期間とアルバイト経験を伝えます。→ 履歴書・職務経歴書
- 面接に臨む: よく聞かれる質問と、答え方の準備をします。→ 面接対策
フリーターの期間が長くなるほど、正社員になれた割合は下がっています。まずは5つの道筋のうち、今日から始められるものを1つ選んでみてください。
よくある質問
- 30代のフリーターでも正社員を目指せますか?
- 東京都の25〜34歳を対象にした2021年の調査では、30〜34歳で正社員になろうとした人のうち68.5%が正社員になっています。なお、わかものハローワークの対象は、おおむね35歳未満です。
- 就職支援サービスを使うと、お金がかかりますか?
- 民間の職業紹介は、芸能家・モデルと、年収700万円を超える経営管理者・科学技術者・熟練技能者の職業を除き、求職者から手数料を受け取れない決まりになっています。
- 働きながら職業訓練を受けられますか?
- 求職者支援制度は、一定額以下の収入のパートタイムで働きながら正社員を目指す人も対象です。月10万円の給付金を受けるには、本人の収入が月8万円以下であることなどの条件があります。
参考にした情報
- 労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容―「第5回 若者のワークスタイル調査」から―」(労働政策研究報告書 No.213、2022年)(2026.9.18 確認)
- 厚生労働省「わかものハローワーク」(2026.9.18 確認)
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(2026.9.18 確認)
- 厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第6 手数料」(2026.9.18 確認)
- 石川労働局「職業紹介事業とは」(2026.9.18 確認)