ニートから就職するには?何から始めるかの5つの段階と、サポステとハローワークの使い分けを解説

ニートから正社員を目指すときに、何から始めればよいかを5つの段階で整理しました。無料で使える公的な支援(サポステ、わかものハローワーク、職業訓練)の違いと、企業が採用で重視する点もまとめています。

この記事のポイント

  • 15〜34歳のニート(若年無業者)は2024年で61万人です
  • 企業が若年の中途採用で重視した点は「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が72.7%で最も多く、「業務に役立つ職業経験・訓練経験」は42.3%でした(2023年の調査)
  • 何から始めればよいか分からないときは、サポステやわかものハローワークで相談することから始められます。どちらも無料です
目次
  1. ニート(若年無業者)とは
  2. ニートの人数
  3. フリーターとの違い
  4. 企業は採用で何を見ているか
  5. ニートから就職するまでの5つの段階
  6. 1. 生活の時間を整える
  7. 2. 相談先を1つ決める
  8. 3. 自分の経験を書き出す
  9. 4. 応募する職種を決める
  10. 5. 書類と面接の準備をする
  11. 無料で使える公的な支援
  12. 地域若者サポートステーション(サポステ)
  13. わかものハローワーク
  14. 職業訓練(求職者支援制度)
  15. 空白期間は隠さずに説明する
  16. まとめ
  17. よくある質問
  18. 参考にした情報

「ニートの期間があると就職できないのではないか」「何から手をつければよいか分からない」と悩んでいる人に向けて、この記事ではニートから正社員を目指すときの始め方を5つの段階で整理します。無料で使える公的な支援の違いも比べます。

ニート(若年無業者)とは

ニート(若年無業者)は次のように定められています1。

  • 15〜34歳の非労働力人口で、家事も通学もしていない者

「非労働力人口」は仕事をしておらず、仕事を探してもいない人のことです。つまり、働いておらず、学校にも通っておらず、仕事も探していない若者がニートに当たります。

ニートの人数

2024年のニートの数は61万人で、前の年より2万人増えています。年齢別では15〜24歳と25〜34歳がそれぞれ1万人ずつ増えました。

フリーターとの違い

フリーターは2024年に136万人です。フリーターは15〜34歳の卒業者(女性は未婚の者)のうち、次のいずれかに当たる人を指します。

  • パート・アルバイトとして雇われている
  • パート・アルバイトの仕事を探している
  • 家事も通学もしておらず、パート・アルバイトで働くことを希望している

仕事を探していない状態がニート、パート・アルバイトで働いているか探している状態がフリーターです。ニートからアルバイトを始めると、統計の上ではフリーターに移ることになります。

企業は採用で何を見ているか

15〜34歳の正社員を採用した事業所に、選考で重視した点を聞いた調査があります(複数回答)2。

重視した点 新規学卒者の採用 中途採用者の採用
職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 79.3% 72.7%
コミュニケーション能力 74.8% 66.9%
マナー・社会常識 58.6% 58.1%
業務に役立つ職業経験・訓練経験 14.7% 42.3%

(2023年10月時点の調査。2026年9月24日に確認)

この調査での「新規学卒者」は卒業後3年以内で新卒の採用枠で採用された人を指し、それ以外は「中途採用者」です。ニートから正社員を目指す場合、多くは中途採用者の枠で選考を受けることになります。

中途採用者の選考でも最も多く重視されたのは職業経験ではなく「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」でした。職歴がないことは不利になりえますが、働く意欲と、人と円滑に仕事を進められることを伝えられれば、選考の土台には立てます。

ニートから就職するまでの5つの段階

いきなり求人に応募するより、次の順に進めるほうが途中で止まりにくくなります。

段階 やること 目安
1. 生活の時間を整える 毎日決まった時間に起き、日中に外に出る 平日の朝に出かけられる状態
2. 相談先を1つ決める サポステかわかものハローワークに連絡する 最初の相談の予約をする
3. 自分の経験を書き出す 学校、アルバイト、家での役割からできることを整理する 自己PRを1分で話せる
4. 応募する職種を決める 求人の多さと、続けられる条件で選ぶ 応募する職種を2〜3に絞る
5. 書類と面接の準備をする 履歴書を作り、空白期間の説明を準備する 応募を始める

1. 生活の時間を整える

正社員の仕事の多くは決まった時刻に始まります。面接も平日の日中に行われることがほとんどです。まずは毎日同じ時刻に起きて、日中に外に出る習慣を作ります。

図書館や公的な窓口に通う、短時間のアルバイトを始めるなど、外に出る予定を週に何日か入れると、生活の時間が決まりやすくなります。

2. 相談先を1つ決める

1人で進めるのが不安な場合は無料の公的な窓口で相談することから始められます。どこに相談するかは次の節の表を参考にしてください。

3. 自分の経験を書き出す

職歴がなくても、学校での活動、アルバイト、家での役割など、書き出せる経験はあります。何を任され、どう取り組んだかを書き出すと、履歴書と面接で話す材料になります。手順は次の記事にまとめています。

関連記事アルバイト経験から強みを整理する自己分析のやり方とは?ジョブ・カードと job tag の使い方も解説

4. 応募する職種を決める

職種によって求人の多さには大きな差があります。求人が多い職種と、自分が続けられる条件の両方から選びます。

関連記事未経験から正社員を目指すときの職種の選び方とは?職業別の求人倍率で「求人が多い仕事」を知る

5. 書類と面接の準備をする

履歴書ではニートの期間を隠さずに書くことになります。面接では「卒業してから何をしていましたか」と必ずと言ってよいほど聞かれるので、答えを先に用意しておきます。

関連記事面接で「空白期間」「なぜフリーターだったのか」を聞かれたときの答え方

無料で使える公的な支援

ニートから就職を目指すときに使える公的な支援は、主に次の3つです。

支援 対象 費用 向いている人
地域若者サポートステーション(サポステ) 15〜49歳で、仕事をしていない人、就学中でない人 無料 働くことそのものに不安がある人
わかものハローワーク 正社員を目指す、おおむね35歳未満の人 無料 求人を探しながら相談したい人
職業訓練(求職者支援制度) 雇用保険を受けられない求職者など 受講料は無料 仕事に必要な技能を先に身につけたい人

地域若者サポートステーション(サポステ)

サポステは働くことに悩みを抱えている15歳から49歳までの人を対象に、就労に向けた支援を行う機関です。厚生労働省が委託した民間団体などが運営しており、全国179か所、すべての都道府県にあります(2025年4月現在)。利用は無料です。

厚生労働省は対象の例として次のような人を挙げています。

  • 就職の方法が分からない
  • 自信がない
  • コミュニケーションに不安がある
  • 人間関係のつまずきなどで、働いていない期間がある

専門のスタッフとの個別の相談を受けられ、就職した後に職場に定着するまでの支援もあります。求人を探す前の段階から相談できるのが特徴です。

わかものハローワーク

ハローワークのうち、正社員を目指す若者向けの窓口です。対象はおおむね35歳未満で、支援は無料です。全国に21か所あり、ほかに「わかもの支援コーナー」「わかもの支援窓口」が199か所あります。

担当者による職業相談、応募書類の作成の支援、面接対策、企業説明会や面接会などを受けられます。求人の紹介を受けながら進められるため、働く意欲がはっきりしてきた段階で使うと進めやすくなります。

職業訓練(求職者支援制度)

求職者支援制度は無料の職業訓練を受けられる国の制度です。訓練の期間は2か月から6か月で、申し込みはハローワークで受け付けています。本人と世帯の収入や資産などの条件を満たすと、訓練を受けている間、月10万円の職業訓練受講手当を受けられます。

訓練に通うこと自体が、決まった時刻に通う練習になります。応募したい仕事が決まっていて、その仕事に必要な技能を先に身につけたい場合の選択肢です。

空白期間は隠さずに説明する

ニートの期間は履歴書と面接で必ず説明することになります。事実と違う説明は入社後に経歴を確認されたときに信頼を失うおそれがあります。

面接では次の3つの順に話すと、短くまとまります。

  1. 事実: その期間に何をしていたか(1〜2文)
  2. 学んだこと: その期間に気づいたこと(1〜2文)
  3. これから: なぜ今、正社員を目指すのか。応募先で何をしたいか(2〜3文)

いちばん時間を使うのは「これから」です。企業が重視する「職業意識・勤労意欲」が伝わるのはこの部分です。例文は空白期間の答え方の記事にまとめています。

まとめ

  • ニート(若年無業者)は、15〜34歳で、仕事をしておらず、仕事を探しておらず、家事も通学もしていない人を指します。2024年で61万人です
  • 企業が中途採用で最も重視していたのは、職業経験よりも働く意欲でした
  • 始め方は、生活の時間を整える、相談先を1つ決める、経験を書き出す、職種を決める、書類と面接の準備をする、の5段階です
  • サポステ、わかものハローワーク、職業訓練はどれも無料で使えます。働くことそのものに不安があるならサポステ、求人を探しながら相談したいならわかものハローワークから始められます

正社員を目指す方法の全体は次の記事で比べています。

関連記事フリーターから正社員になるには?5つの方法を比べて、自分に合う始め方を選ぶ

注釈

  1. 厚生労働省「若年者雇用対策の現状について」(総務省「労働力調査」をもとにした資料) ↩

  2. 厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」 ↩

よくある質問

ニートとフリーターは何が違いますか?
国の資料ではニート(若年無業者)を「15〜34歳の非労働力人口で、家事も通学もしていない者」としています。フリーターは15〜34歳の卒業者(女性は未婚の者)のうち、パート・アルバイトで働いている人や、パート・アルバイトの仕事を探している人などを指します。仕事を探していない状態がニート、パート・アルバイトで働いているか探している状態がフリーターです。
サポステは何歳まで利用できますか?
地域若者サポートステーション(サポステ)の対象は15歳から49歳までの、仕事をしていない人や就学中でない人です。利用は無料で、全国179か所にあります(2025年4月現在)。
職歴がなくても正社員の求人に応募できますか?
応募できます。2023年の国の調査では若年の中途採用者の選考で「業務に役立つ職業経験・訓練経験」を重視した事業所は42.3%で、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」の72.7%を下回っていました。職歴がないことより、働く意欲をどう伝えるかが見られます。

参考にした情報